引っ越しましたが
勉強する時間がほしくて自宅を離れ、アパートを借りました。
でも初期費用が思ったよりもかかり、今後家賃の出費もあるためかなり厳しい状況です。本業の他に、休日にアルバイトをしなければならなくなりました。かえって勉強時間が削られている本末転倒の状況です。もうなんだかよく解らなくなってきました。
続きを読む先日、幸運にも Kingsoft の Office スイートを試用する機会がありました。VBA も使えるエディションです。
主に MS Excel 代替の WPS Spreadsheets を確認しました。エンジニアの視点から、VBA の実行やカスタマイズしたリボンの挙動などを厳しく確認しましたが、再現性の高さに驚かされました [^1] 。VBE さえ付いています。
その他、自前で開発したアドインのリボンに使っている imageMso が一部表示されていないことにも気づきました [^2] 。
もし Kingsoft 製の Office に移行する場合、どういった imageMso が使えて(ちゃんと表示されて)、どういったものが使えないのか、開発者としてはこれを把握する必要があります。
続きを読む物語の舞台は長野県松本市の高校。映画化もされたので、ご存知の方もおおいでしょう。
この記事はネタバレを少し含みます。原作のコミック、あるいは映画を観た後でごらんになった方が良いと思います。
どちらもまだという方は、コミックを読むか、映画やアニメを是非ご覧になってください。
今日出会った転校生を好きになり、そして一年ほど後に死別することを十年後の自分自身から届いた手紙により知る。それを止めようとするヒロイン菜穂の葛藤が描かれています。
続きを読む不安定な状態で撮影したので縦二枚をくっつけました。見難くて申し訳ありません。
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昨年の記事で作成した、書籍 「SQL アンチパターン」の勉強ノート に、書籍とは異なる名称を記しました。それは、自分にとってその方が覚えやすかったり、なじみがあったりという理由でした。
書籍に記されているタイトル(各アンチパターンの名前)は英語をそのままカタカナにしたようなものが多く、それでいて続けてちゃんと日本語に翻訳した素敵な名称が括弧書きされていて「まさか訳したタイトルに自信がないのかな。とても適切だと思うのだけれど」とか思っていました。
その後、この疑問は自己解決をしました。エンジニアリングの世界では、日本語に訳したものよりも「そのまま」の方が明確に伝わることがあります。おそらく訳者のかたは、訳すことで伝わり難くなることを恐れたのではないか、と考えたのです。
ところが先日、twada さんのプレゼンを直接見る機会があり、この解釈も誤りであったことが判りました。
続きを読む主人公の木葉草多は、家業として四百年にわたって秘薬を作り続けている家と郷里の久寿理島(くすりじま)を離れて、東京の「わからん荘」で下宿しながら難門「和漢学園」で薬学を学んでいます。この第三巻は高校三年生の生活が中心になります。
前巻では主人公の周りにいる若者の葛藤を乗り越える物語が描かれましたが、今巻では前巻で描かれなかった一人のエピソードがちゃんとあります。
主人公の下宿先「わからん荘」にて一緒に下宿している先輩、伸太郎さんは「どうぶつが苦手」という弱点を持ちます。
人の「何かに対する苦手意識」というものは、一時ではなかなか変わったりしないのですが、後でふり返ると、きっかけになったと思えるものは何かしらあるものです。
このエピソードの中で伸太郎さんの親族として忍者が出てきます。忍者にも、忍者だけが持つサバイバル技術と呼ぶべきようなものがありますが、その中で薬学に秀でた一族であったという設定です。
住んでいるのはもちろん忍者屋敷ですが、これを読んだ次の日にちょっと別の場所でも忍者屋敷という単語を聞いたので、その共時性にやや驚いています。
主人公は今巻で、生薬の声を聞くという生来持っていた特殊な能力を失います。
物語の冒頭から登場する矢野先生は、このことをチャンスであると説きます。
気落ちする主人公に対して、他の生徒はその能力を持っていないにもかかわらずより優秀であると指摘し、追い打ちをかけます。しかし特殊能力があるがために、身につけようと思うことが難しかった知恵を身につけるよい機会であると説きます。
そして「生薬の声がまたきこえるようになるかどうかは、私にはわかりません。でも、声がきこえなければ、あなたは薬学をあきらめるのですか」と問います。その瞬間まで気落ちしていた主人公はその問いに「いいえ」と答えることができ、その自分の心の確かさに生気を取り戻します。
第一巻から常に主要な登場人物のひとりである矢野先生は、とても厳しいのですが、やはりそれは人の命を左右しかねない薬学に対する緊張感がそうさせていることが、主人公にも伝わっています。
また人生を左右しかねない教育者としての緊張感も持ち合わせているようで、人の弱点を容赦なく暴き指摘しますが、その克服についても、まったく適切な示唆をそれぞれの生徒に提示します。
主人公の生い立ちをはじめから知っていたことが今巻でわかりますが、その時折見せる優しさが決してそのことに由来を持つえこひいきではなく、教育者として人の可能性を信じているためだと伺えます。
危機に陥った主人公は保健室ではなく「特別保健室」に連れて行かれます。そこで出会った芳原先生は、薬には怖い面があることを説きます。
生薬と言えど身体に害をなすことがあること。今巻の主人公の危機は__ちょっと別の原因ではあるものの__そのことを示唆していると考えられます。
さきほど忍者屋敷という言葉を別の場所でも聞いたと書きましたが、それは SQL アンチパターンの勉強会です。
SQL も薬学も__というか、ほとんどのものがそうであると思いますが__有用な道具も使い方を誤れば毒になります。
使い方を誤らないためのアンチパターンは、きっと薬学の世界にも、そしておそらくはどの世界にもあるでしょう。その対義語はエンジニアリングの世界では「ベストプラクティス」。日本語にするなら「失敗例 1 」と「必勝法」などになるでしょうか。アンチパターンを学び危機を避けて(乗り越えて)ベストプラクティスを身につけるか、学ぶこと無くいつまでも同じ失敗を繰り返すかは、自分自身の努力にかかっているのですね。
今巻で残念ながら完結のようですが、読んでいて、とても楽しい時間を過ごせました。
主人公の木葉草多は、家業として四百年にわたって秘薬を作り続けている家と郷里の久寿理島(くすりじま)を離れて、東京の「わからん荘」で下宿しながら難門「和漢学園」で薬学を学んでいます。「わからん薬学事始」第二巻では高校二年生になります。
今巻には、第一巻から登場しているライバル秀有(しゅうゆう)や、主人公の下宿先「わからん荘」オーナーの孫娘真赤(まき)らの葛藤と、それを乗り越える過程が描かれています。
もちろん主人公も、自分の目的のための手がかりをいろいろとつかんでいきます。
物語冒頭から主人公の目的は生家で四百年続けられている伝承薬「気休め丸」の製法を自力で習得すること。そしてその気休め丸の弱点を克服すること。
気休め丸の作り手は代々女の人。それは木葉家に女の子しか生まれてこなかったからというのが理由ですが、その製法には制約が多くとても閉鎖的です。
主人公は四百年目にして初めての男の子ですが、その場合は逆にその製法を受け継ぐことが許されず、島の外に出て自力で製法を身につけることが課せられるということになっています。
いろいろと時代錯誤的なにおいがしますが、今巻ではその閉鎖的な製法や伝承のやりかたには大きな意味があることが示唆されています。
主人公の特殊能力を除いて、物語に描かれている伝承薬の世界は、まるで魔法使いの世界です。魔法という言葉に抵抗があるのなら、神秘と言い換えてもいいかもしれません。
人は若い頃(幼い頃?)しばしば魔法使いに憧れます。でもこの世界の仕組みを学ぶうちに、魔法なんかないのだと気づかされます 1 。全ての事柄には理由があるのだと。
世界の理(ことわり)は、いつもかわらずそこに存在している。今は無理でも、いつかそれが明らかにされる。そのことを思うとき、たしかに魔法はないのかもしれません。
でも自分には無いなにか不思議な力を発揮する人たちのなす技(わざ)や、あっというまに世界を変えてしまう自然現象のなせる業(わざ)、複雑系や混沌の中にのみ姿を現す秩序を目にするとき「まるで魔法のようだ」と思ったことはないでしょうか。目の前に確かに存在している「自分にはできなくて、他のものにはできる『わざ』」を魔法と表現するのなら、たしかに魔法は存在すると言えるのではないでしょうか。
そして、その「なにか」に対する憧れの感情は、自分を向上させる原動力になります。人はいつでも、魔法使いに憧れ、自分を高めるきっかけにできるのだと思います。
主人公は伝承薬「気休め丸」の手がかりを__製法にしろ弱点克服にしろ__自力で習得しなければなりません。通っている和漢学園は最高の環境ではありますが、製法まったくそのものを教えてもらえるわけではありません。それができるくらいなら、伝承薬はとっくに大手製薬会社によって普及薬となっているからです。
主人公は授業から、わからん荘に訪れる人たちの会話から、一つ一つその手がかりを積み重ねていきます。
手がかりの一つ一つがまた、生活の知恵的な事柄になっていてタメになります。
「技術は教わるものではない。盗むものだ」という、古くから大工に伝わる格言を思い出します。手がかりは日常のそこかしこに潜んでいますが、それを見出すのは学び手に委ねられる。当たり前のことのようですが、意外とできていない人が多いのではないでしょうか。大切なのは日常に起きる様々なことが何の手がかりであったのか気づくことです。そしてその気付きのためには、ある程度の基礎知識を身につけることが必要です。基礎が大きい人ほど、見出す気付きも多くなります。マタイ効果 2 と呼べるものは、ある程度は自分でコントロールできます。いえ、しなければいけません。なぜなら世界の誰も、自分と同じ人生は歩んでいないのですから。世界に一つしかない人生のヒントは教わるものではありません。そして待っているだけのものでもありません。
第一巻とは異なり、第二巻の最後はすこし気になる終わり方をしています。第三巻も楽しみです。