- 作者: アンドレアス・シュタインヘーフェル,森川弘子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/03/27
- メディア: 単行本
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本の紹介
リーコとオスカーシリーズ(3編)の2作目です。3冊のシリーズはそれぞれ独立した「事件」を扱っていますが、ところどころで前の巻から繋がるエピソードがありますので、読むとしたら順番に読むのが良いかと思います。
今回は美人で優しいリーコのママが事件に巻き込まれます。オスカーの父親はリーコの家にオスカーを置き去りにされるように居なくなってしまいます。オスカー自身はもちろんのこと、リーコもそのことに心を痛めますが、それでもオスカーはその自前の「高い才能」をもって、リーコのママと、リーコ自身を救います。
今巻も、前巻と同じように読みづらいところがあり、読み始めてすぐ一旦読めなくなってしばらく放っておき、再度読み始めました。
変人フィッツケさん
同じアパートに住む変人のフィッツケさんですが、前巻からずっと気になっていました。いったいどのような人物なのか。今巻でリーコとオスカーはフィッツケさんの自室に案内され、そこでフィッツケさんのしていることについての説明を受けます。
ここでリーコはフィッツケさんのしていることにとても心を動かされるのですが、かくいう私もかなり動かされました。前巻で描かれていたこのフィッツケさんの人物像はかなり気難しく失礼で厭世的で不潔でと、散々なのですが、なんて魅力的な人だろうと思いました。叶うことならその日誌を読んでみたいと思いました。
高い才能オスカーはフィッツケさんのしてきたことに価値を見出せませんでしたが、リーコはそうではありませんでした。私はといえば、フィッツケさんが夢中になっていたことそのものよりも、その姿勢__情熱、自分を信じること、長い時間ねばり強くすすめること__などにとても感銘を受けたのでした。
残念ながらこの巻でもフィッツケさんの出番はあまりありませんでしたが。
オスカーのお父さん
オスカーを置いていなくなってしまったお父さんは今巻のうちには帰ってきませんでした。しかし3巻目は最初から登場するようです。