サポンテ 勉強ノート

サポンテの勉強ノート・読書メモなどを晒します。

農業講座 第四講(「農業講座―農業を豊かにするための精神科学的な基礎」ルドルフ シュタイナー (著), 市村 温司, 新田 義之, 佐々木 和子 (共訳) イザラ書房)

農業講座

農業講座

ノート

 農業講座 第四講のノートです。肥料とは何か、施肥とはどのようなものであるか、そこから発展した霊的な肥料について書かれています。

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農業講座 第四講のノート

はじめに

 最近、あまり勉強が進まないサポンテです。このノートも作るのに1ヶ月以上かかり、清書だけで1週間を要しました。

 しかし下書きを何回もやっただけのことはあり、この講は見開きの2ページで全てまとめることができました。

自主規制について

 今回、自主規制は無しです。と言いますか、あまり自主規制などする必要もないのかもしれないと思い始めてきました。

 これまでサポンテは自主規制と称してノートの一部を付箋で隠してきました。本の内容のネタバレというより、要約であり、著作権に触れる気がしたためです。

 しかし文章を要約するということは、要約作業する人によって情報の取捨選択が行われるということで、その取捨選択の判断は作業者の主観によって異なるため、ある人にとってのノートを見て、別の人が元の文章なり知識をそこから還元することは、基本的に困難です。

 ノートは感想文とは違い、文書の内容にそったものではあるのですが、やはり「私が文章の中から重要と思ったのは、これらである」という内容であって、そこには作業者の思想が色濃く反映されるに違いありません。

 そういった理由で、少なくとも今回のノートについては特に要約して切り捨てた部分が多く、自主規制は止めました。

要約で歪められる内容

 要約によって、内容は歪められる可能性があります。シュタイナーの本は、とくにそれが著しいと言われています。

 ノートには書ききれなかった部分にも重要な箇所は、もとよりたくさんありますし、シュタイナーの本は奥が深くて、何度も読むうちに、はじめは気づかなかった何気ない一文に後になってから重要な知恵が隠れていたということがあります。他の書物にもこういったことはありますが、シュタイナーの本にはとりわけ多いように感じます。

 シュタイナーの本は、あちこちで読書会が開かれていますが、そのような機会を利用して、定期的に読み直してみるというのは、思っている以上に重要で効果的な方法なのかもしれません。ただサポンテは耳から聞く言葉と、目で追っている言葉がうまく一致しないことがあるので(頭が悪くて理解が追いついていかないだけかもしれませんが)読書会のようなものに苦手意識が少しあります。人が集まるのが苦手という面も大きいですが。

 このノートを作っている同じ時期に「シュタイナーの美しい生活」という本を並行して読んでいました。最後の章「自然界の不思議(二)」には植物の生長についての重要な示唆があります。学問が微細な専門分野に分化していくことについてが、なぜ危険なのか。その理由についても、こちらの同じ章に言及があります。

 シュタイナーは色々なところで異なるテーマで講演を行っていますが、聴衆の基礎知識に応じて語っている内容の粒度が異なります。あることに関する重要な示唆が、まったく別のテーマの講演録で得られるということが、よくあります。

 この農業講座は人智学徒を対象に行われたものであるだけに、重要なキーワードについて十分な説明がなされていないことが多く見受けられます。バイオダイナミック農法の原典ではありますが、初めて読む場合には様々な副読本を必要とする人もいるかもしれません。サポンテも、それらをいつか読んでみたい。そしてその時は、少しでも農業に携わっていたいと思います。

質疑応答

 ノートを作ってから気づいたのですが、この第四講のすぐ後に載っている「質疑応答」には、この講で取りあげた分野について、掘り下げた詳細な内容が書かれています。第四項よりもページ数があります。こちらも考慮に入れてノートを作るべきだったと感じました。

よく観察すること

 この農業講座全体でシュタイナーは「農場をよく観察すること」を強調しているように感じます。その観察するための軸というか「観点」のようなものを提供しているのだと読むこともできます。

 農業というものは概ね「作業」ではあるのですが、観察や考察を放棄して盲目的に作業していると、いざ不具合が発生したときに対処できない。農場というものは、実際に少しでも農業をかじったことがある人は理解していただけると思いますが、一つ一つの農場でほんとうに環境が違います。極端に言えば、隣接する田圃であっても一枚一枚、その特徴は異なっています。そのため農業とは単純作業であってはならず、一人一人が個別に農場と関係を持ち、その環境を洞察する力を持つ必要があります。

 農場を観察し、瞑想を行い、観察される事象から洞察を得て、得られた知見を共有する。そうしたことが重要であるとシュタイナーは語っている気がします。