サポンテ 勉強ノート

サポンテの勉強ノート・読書メモなどを晒します。

「KIMONO」文化盗用の本当の問題

この問題は差別問題です。誰も書かないのですが、本当に問題なのは当のキム=カーダシアンにアジア人に対する差別意識があることです。

カネを集める力を持っているアメリカ人なら、世界をどうやって私物化しても許されるという奢り。極東の小国の文化など私的に盗用しても構わないという侮り。炎上の理由は、こういった差別意識がなんとなく見て取れることからきていると感じます。

昨年、樹海で日本人の遺体を撮影して投稿した Youtuber と同じ流れです。台湾人の歌声を勝手に盗用したミュージシャンと同じ流れです。

はじめに

この問題を知らない方のために、ニュースからいくつか簡単に引用します。

KIMONOイコール補正下着と刷り込み 米国セレブは「ブランド名を変えるつもりない」と宣言

 彼女が立ち上げた「kimono」ブランドの販売予定商品が、日本の着物とは似ても似つかないデザインの女性用の補整下着であること、ブランドを運営するKIMONO Intimates社が「KIMONO」「KIMONO BODY」などの名称の商標登録を米国特許商標庁に申請していることから、日米を中心に諸外国の着物愛好家も声を上げる動きに発展。

 商標登録の問題に注目が集まっているが、それ以上に、目を向けるべきなのはドメイン名とSNSのアカウントのほうだ。「文化の盗用」、それも日本語の意味のすり替え問題に関わってくる。

 文化の盗用は「文化の私物化」と訳されることもある。他民族の文化をその文化に縁のない他者が表面的に借りて表現することを指す。

京都市:「KIMONO」の商標登録に関して

【2019/07/02 追記】 この「KIMONO」というブランド名は使わないことに決まったとのことです。

本人のいいわけ

キム・カーダシアン、自身の矯正下着ブランドの名前「Kimono」が「日本文化の盗用」だと批難殺到している件について、ついに声明文を発表

批難殺到の中、ついにキム本人がこの件について、ニューヨーク・タイムズ紙を通し声明を発表した。

キムは「私は会社名を『Kimono』と名付けることにしました。日本のルーツから切り離してではなく、日本の衣服においての美しさと細部への敬意からきているのです」と、日本への敬意を示した。

「日本の文化においての着物の重要性について理解、そして深い敬意を持っています」と、

敬意と差別意識は共存する

件の Youtuber も「敬虔な気持ち」から動画を投稿したと語っていました。エニグマだってその歌が良いと思ったから(無断)使用したのでしょう?これらの言いわけが虚言だとは言いません。しかし想像力が欠けていると言えるでしょう。自分が何を言っているのか分っていません。

まだアメリカで奴隷制度があったころ「勤勉に働いている奴隷は立派だ」と言い放つ白人がいました(ソースは失念)。この人は敬意を持ちながらも奴隷制度を認めています。差別主義者はおしなべて差別しているという意識は持っていないのです。敬意と差別意識が共存することは珍しくありません。それは環境・システムが生んだ時代の無意識とも言うべき怪物です。

こうした、なかなか意識に上がらない文化的な暴力には、鋭く声を上げていくことが重要ですし、また私たち自身を含む多くの人たちの中に、この怪物は簡単に巣食ってしまう危険性を持っていると認識する必要があります。

そのためには、こうした批判には当人にも真摯に受け止めてほしいのですが。いまのところその気は無さそうです。件の Youtuber は一応反省した分、誠実に感じます。

【2019/07/02 追記】 この「KIMONO」というブランド名は使わないことに決まったとのことです。