一冊の本から数個のキーワードを抜き出してまとめる?!
「読書を仕事につなげる技術という本」には、本を読んだら3〜5個のキーワードだけ抜き出してメモしておくという「アウトプット」方法が載っています。
とてもまとめられない
とても無理。まとめられません。大きく二つの理由があります。
無理な理由その1「残りの部分がもったいない」
キーワードから漏れてしまった部分がもったいないと思ってしまうのです。とっておきたい言葉、概念、哲学はたくさんあります。一体、それらが大切ではないと言い切れるでしょうか。
無理な理由その2「とっておきたいところが多すぎる」
本から学ぶことはキーワードだけではありません。私は影響されやすい性格なので、心酔した本は段落まるごととっておきたい、いや、いっそ本まるごと…といった衝動に駆られます。とてもキーワードだけを抜粋することはできません。
この本の言うことは間違っているのか
ではこの本で言っていることは間違っているのか、役に立たないのかというと、そうは思いません。そう思わない理由も二つあります。
そう思わない理由その1「すべて忘れる方がもったいない」
どんなに珠玉の名文、名言が続いていたとしてもすべてを引用していたら何も引用していないのと同じです。大切なところを抜き出していなければ、おそらくはすべてを漏らしていつかは忘れてしまうことになるでしょう。ほんのわずかに過ぎなくても抜き出しておくことは無駄ではありません。
そう思わない理由その2「アウトプットの練習になる」
本を読んで知識を得ることは大切ですが、やはりそれを活かしてこそ。それにはアウトプット、つまり得た知識をすぐに引き出せるように練習しておくことが大切です。それは一朝一夕には身につかないこと。繰り返し練習することと、いつでも引き出せるようにしておくことも大切です。
「一冊の本」ではなく「一日で読んだ分」からキーワードを抜き出す
一冊の本をすべて読み終えてからキーワードを抜き出すのではなく、その日読んだ部分から数個のキーワードを抜き出してとっておく、という手もあるのではないかと思いました。
そうすることによるメリットは、これまた二つあります。
メリットその1「様々な本に対応できる」
本と言っても、文字数や情報量はまちまちです。一日と言わず一時間で読めてしまうような軽い(軽すぎる)本もあれば、本腰を据えて勉強したい学術書を何日もかけて読むというスタイルの本もあります。「1日で読んだ分」など、自分なりのルールを決めておくと、そのどちらの場合にも適用できます。
実際、今日では多くの本が「薄い」と感じられます。本当に3〜5個のキーワードでまとめられるほど中身のない本も少なくない現状があります。もっとも、これは「本」というカテゴリーに限らないことではありますが。
メリットその2「自分のペースで習慣化しやすい」
「一日で読んだ分を夜寝る前」とか、「日曜日の午前中に」などと決めておけば習慣化しやすいです。
野田知佑さんが、人間、悪い癖はすぐについてしまうが、良い癖もすぐにつく、と言っていました。どんなことでも習慣化してしまえば、徐々に煩わしさや苦しさが薄れてきます。続けることは力になると思うのです。